Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

がうのです。まず八度くらいはあったろうと思われました。それから、とぼとぼ広間の方へ歩いて行ったのを覚えております。とにかく、あの男の顔を見たのは、それが最後でございました」

「すると、それから君は、易介が具足の中に入るのを見たのかね」

「いいえ、ここにある全部の吊具足が、グラグラ動いておりましたので……たぶんそれが、一時を少し廻った頃だったと思いますが、御覧のとおり円廊の方の扉が閉っていて、内部は真暗でございました。ところが金具の動く微かな光が、眼に入りましたのです。それで、一つ一つ具足を調べておりますうちに、偶然この萌黄匂の射籠罩の蔭で、あの男の掌を掴んでしまったのです。咄嗟に私は、ハハアこれは易介だなと悟りました。だいたいあんな小男でなければ、誰が具足の中へ身体を隠せるものですか。ですからその時、オイ易介さんと声を掛けましたが、返事もいたしませんでした。しかし、その手は非常に熱ばんでおりまして、四十度は確かにあったろうと思われました」

「ああ、一時過ぎてもまだ生きていたのだろうか」と検事が思わず嘆声をあげると、

「さようでございます。ところが、また妙なんでございます」