Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

「ああ、この局面は、僕にとうてい集束出来そうもないよ」と弱々しい声で呟くのだった。

「だが、伸子の身体に現われているものだけは簡単じゃないか。なあに、正気に戻れば何もかも判るよ」検事は無雑作に云ったが、法水は満面に懐疑を漲らせてなおも嘆息を続けた。

「いやどうして、錯雑顛倒しているところは相変らずのものさ。かえってダンネベルグ夫人や、易介よりも難解かもしれない。それが、意地悪く徴候的なものじゃないからだよ。いっこう何もないようでいて、そのくせ矛盾だらけなんだ。とにかく、専門家の鑑識を求めることにしたよ。僕のような浅い知識だけで、どうしてこんな化物みたいな小脳の判断が出来るもんか。なにしろ、筋覚伝導の法則が滅茶滅茶に狂っているんだから」

「しかし、こんな単純なものを……」と熊城が、異議を述べ立てようとすると、法水はいきなり遮って、

「だって内臓にも原因がなく、中毒するような薬物も見つからないとなった日には、それこそ風精天蝎宮(運動神経を管掌す)へ消え失せたり――になってしまうぜ」

「冗談じゃない、どこに外力的な原因があるもんか。それに痙攣はないし、明白な失神じゃないか」