Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

だいたい、これが刑事被告人の天国なんですよ。捕繩で貴女の手頸を強く緊めるんです。そうすると、全身に気持のよい貧血が起って、しだいにうとうととなってゆくそうですからな」

その瞬間、伸子の視線がガクンと落ちて、両手で顔を覆い、卓上に俯伏してしまった。ところが、続いて警察自動車を呼ぼうとし、熊城が受話器を取り上げた時だった。法水は何と思ったか、その紐線に続いている、壁の差込みをポンと引き抜いて、それを伸子の掌の上に置いた。そうしてから、唖然となった三人を尻眼にかけ、陶然と彼の着想を述べたのである。ああ、事態は再び逆転してしまったのだった。

「実は、その――貴女にとって不運なお化が、僕に詩想を作ってくれました。これがもし春ならば、あの辺は花粉と匂いの海でしょう。しかし、裏枯れた真冬でさえも、あの噴泉と樹皮亭の自然舞台――それが僕に貴女の不在証明を認めさせたのです。貴女もクリヴォフ夫人も、あの渡り鳥……虹によって救われたのですよ」

「ああ、虹とは……。貴方は何を仰言るのです」伸子は突然弾ね上げたように身体を起して、涙で霑んだ美しい眼を法水に向けた。しかし、一方その虹は、検事と熊城を絶望の淵に叩き込んでしまった。