Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

が、一座の空気は、明らかに一抹の危機をはらんでいた。それはあながち、津多子を除外した法水の真意が、奈辺にあるや疑うばかりでなく、それぞれに危懼と劃策を胸に包んでいると見えて、ちょっとの間だったけれども、妙に腹の探り合いでもしているかのような沈黙が続いた。そのうち、セレナ夫人がチラと伸子に流眄をくれると、恐らく反射的に口を突いて出たものがあった。

「法水さん、証言に考慮を払うということが、だいたい捜査官の権威に関しますの。確かに先刻の方々は、伸子さんが動いた衣摺れの音を聴いたのでしたわ」

「いいえ、竪琴の前枠に手をかけていて、私は、そのまま凝っと息を凝らしておりました」と伸子は躊らわずに、自制のある調子で云い返した。「ですから、長絃だけが鳴ったと云うのなら、また聞えた話ですけど……。とにかく、貴女様の寓喩は、全然実際とは反対なのでございます」

その時旗太郎が、妙に老成したような態度で、冷たい作り笑いを片頬に泛べた。「さて、その妖冶な性質を、法水さんに吟味して頂きたいですがね。――そもそも、あの時竪琴の方から近づいてきた、気動というのが何を意味するか。ところが、その楽音嚠喨たるやです。