Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

一つは、黙示図に現われている自然界の薄気味悪い姿で、その次は、未だに知られていない半葉を中心とする、死者の世界なんだ。それから三つ目が、既往の三度にわたる変死事件。そして最後が、ファウストの呪文を軸に発展しようとする、犯人の現実行動なんだよ」と、そこでしばらく言を切っていたが、やがて法水の暗い調子に明るい色が差して、「そうだ支倉君、君にこの事件の覚書を作ってもらいたいのだが。だいたいグリーン殺人事件がそうじゃないか。終り頃になってヴァンスが覚書を作ると、さしもの難事件が、それと同時に奇蹟的な解決を遂げてしまっている。しかし、あれはけっして、作者の窮策じゃない。ヴァン・ダインは、いかに因数を決定することが、切実な問題であるかを教えているんだ。だからさ。何より差し当っての急務というのが、それだ。因数だ――さしずめその幾つかを、このモヤモヤした疑問の中から摘出するにあるんだよ」

それから検事が覚書を作っている間に、法水は十五分ばかり室を出ていたが、間もなく、一人の私服と前後して戻って来た。その刑事は、館内の隅々までも捜索したにかかわらず、易介の発見がついに徒労に帰したという旨を報告した。