Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans

Aozora Bunko

――そこを頼春はさまよって行った。

(お味方すべきか、辞退すべきか?)

なお迷っているのであった。

(道理よりすれば、禁裡方に、お味方すべきが至当ではあるが……妻が……六波羅殿の……斎藤殿の……)

このことを思えば迷うのであった。

六波羅探題の奉行職、斎藤太郎左衛門利行の娘が、かれ頼春の妻なのであった。

添って三年経っていた。

美女と美男との夫婦であり、人が羨んで噂するほどの、まことに仲のよい夫婦でもあった。

(禁裡様方にお味方すれば、六波羅方に背かねばならぬ。……舅の斎藤太郎左衛門殿にも……)

このことが彼には苦痛なのであった。

(禁裡様方お勝ちになれば、六波羅殿は亡ぼされ、太郎左衛門殿もお討ち死に……どんなに女房は悲しむだろう。……お味方破れれば我が身は死ぬ。……どんなに女房は嘆くだろう。……勝っても負けても辛い身の上だ。いっそこのような計画の中へ、わしを引き入れてくれなかったら。……)

自分を口説いて厭応なしに、このような計画の中へ引き入れた、土岐十郎頼兼や、多治見ノ四郎二郎国長が、いまさら怨めしく思われるのであった。

鹿の鳴き声が聞こえて来た。

露を踏み、萩を分け、妻を恋い、野の中に、鳴いている鹿の声であった。