Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans

Aozora Bunko

(これからどうなることだろう?)

(これからどうしたらよいだろう?)

黙々として二人は歩いて行く。

と、不意に二人の行く手の、煙りでもこめているかのように、蒼白く見えている月光の中へ、梢から舞い落ちた白い物があった。

それは巨大な猩々であった。

浮藻は思わず小次郎へ縋り、小次郎は足を止めた。

と、にわかに浮藻は喜びの声を、なつかしさをこめて響かせた。

「卯ノ丸だわ! 卯ノ丸だわ!」

そうしてそっちへ走って行った。

小次郎も後を追った。

赤坂城攻撃のはじまったのは、その翌日のことであった。

馬鹿にしきった寄せ手の勢は、馬乗り放し乗り放し、われ先にと堀へ飛び込み、櫓の下へ立ち並びこみ入ろうとひしめいた。

と、櫓の狭間から、二百人あまりの射手の射る矢が、拳下がりの狙いうちに、篠のように射出だされた。

密集した勢への狙いうちであった。ほとんど一筋の空矢もなく、わずかの間に千人あまり、寄せ手は死人と負傷者とを出した。

寄せ手は案に相違して、

「この城意外に手強いぞ、一旦しりぞき陣を立て直せ」

と、狼狽しいしい退いた。

と、左右の小山の蔭から、菊水の旗二流れあらわれ、三百余騎が殺到して来た。