Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans
もない! ……姥、頼む、ここから出してくれ! ……いや一緒にこの城から出よう! ……それにしても俺には不思議でならない、何んと思って鬼火の姥には、こんなところへやって来たのだ※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
「帰って来たのじゃ、この城へよ! ……時々この城へ帰って来て、住まねばならぬわしなのじゃ」
「では何んだ、姥の身分は? この城での姥の身分は?」
「やがて知れよう、じっとしていな。……とにかくこの城へさえ帰って来れば、鬼火の姥の力も業も、外にいる時より百層倍も強まる! ……範覚よ、安心していな。安心してわしに縋っていな」
この時巨大な真鍮の銅鑼でも、強い力で打ったらしい、陰気な金属性の音が聞こえ、それが長い尾を引いて、城の隅々へまで行き渡った。
「漢権守様のお出ましの時刻じゃ」
姥はユラリと立ち上がり、燭台の灯を吹き消した。
と、この部屋は暗黒となり、巨大な御幣のような姥の姿が、ぽっと灰白くその闇を分けて、戸口の方へ歩くのが見え、その扉のひらく音が聞こえた。
範覚だけが後に残っていた。
(漢権守様のお姿を、俺は一度も見たことがない。……見てはいけないと云われてはいるが、今夜は是非とも見たいものだ)