Classiques japonais avec furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans
……でも、いずれはあなた様には、ご修行にお立ちなのでござりましょうねえ」
細くはあるが切れの長い眼、小さすぎるほど小さい唇、呉服は京あたりの顕紳の姫とは、おのずから異った地方豪族の息女の、質朴の美しさを備えていた。
「さよう、参らねばなりませぬ」
「そのように、お若いお身の上で、荒いご修行などなさいまして……何んのお役に立つのでございましょう」
「仏の道は救いの道、自分を救い人を救う、その助けになるでございましょうよ」
若い先達は、いや宮家は、ふと昔のことを思い出された。
日野資朝卿の別館で、無礼講の催しのあった時、微行して庭まで行き、資朝と逢って話したことで、
「還俗して戦場に立ちたいものじゃ」
こう、その時云った筈である。
(それがとうとう現実となった。還俗し、甲胄をつけ、合戦の場に立つようになった)
「先達様」
と、呉服は云った。
熱を持った声であった。
「…………」
若い先達は、ただ見詰めた。
「呉服を何んとおぼしめしまして?」
「…………」
「可憐と……可憐と……おぼしめしましてか?」
懇願するような声であった。
若い先達は頷いて見せた。
呉服の口から溜息が洩れ、涙ぐんでいる眼の中に、喜悦と安心との光がさした。