Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans

Aozora Bunko

「なるほどのう」

と、定遍は云った。

「悪くない手じゃ、やってみようか‥…立て札へ書く文面が、そうなると大切なことになる」

「御意で」

と姥が口を合わせた。

「出来るだけ読む人の心持ちを、まどわすような文面を……」

「ひとつとっくりと考えてみよう」

定遍は眼をとじて考え込んだ。

密談に相違なかったので、襖はことごとく開けはなされていた。午後の中庭が見えていた。

泉水の岸、築山の裾に、盛りを過ごした桜の花が、それでも枝に群れていて、ひっきりなしに散っていた、老鴬の声もしきりに聞こえた。

四人はしばらく黙っていた。

それにしても姥や範覚は、どうしてこんなところへ来たのであろう?

漢権守の居城から、あんな事件で走り出し、飛天夜叉桂子の一団を討つべく後を追ったけれど、見失って討つことが出来なかった。

間もなく赤坂の城が落ち、大塔宮様や楠木正成が、自害をして果ててしまった。

が、慧眼の鬼火の姥には、詭計に思われてならなかった。

はたしてその後聞こえて来たのは、大塔宮様一行が山伏姿に身をやつされ、熊野から十津川方面へご潜行あそばされたということであった。

武家方である鬼火の姥は、そこでこのように考えた。