Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans

Aozora Bunko

範覚が姿をくらましたことは、彼女にとっては大打撃であった。

「範覚よ、どこにおいでだ!」

またもや姥はこう呼びながら、部屋部屋の襖を開けはじめた。

この頃範覚は京都の町を、銀河を頭上にいただきながら、朗らかな顔をして歩いていた。

(悪魔から離れたというものさ)

金剛杖を軽くつき、浮き立つように歩いていた。

(新しい生活がはじまります)

寝しずまった町はひそやかで、両側の家々は扉も蔀も、門も窓もとざしてしまって、火影一筋洩らしていなかった。柳の老木が立っていて、しきりに枯れ葉を散らしているのが、月光に針でもこぼれるように見え、それの根もとの草むらの中で、虫が声かぎり鳴いているのが、秋の深夜を浄化してみせた。

(あの婆さんとツキアウことによって、何を俺ら得をしたかしら?)

こんなことが考えられた。

(女のいやらしさを知ったばかりさ)

(では今後は)

と考えた。

(女の綺麗さを知らなけりゃアならねえ)

(オヤオヤオヤ)

と立ち止まった。

(ここはいったいどこなんだろう?)

寂しい町の外れであって、築地が側に立っていた。

「ほウ!」

と驚いて声をあげた。

「若い女が仆れているぞ――ッ……見ろ! もうこんな好運にぶつかってしまった!」