Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans

Aozora Bunko

「…………」

「大塔宮様にお目にかかり、許すとの御言葉承まわり、真人間となる願望だけを唯一の目標といたしまして、いまに生存えおりまする生ける死骸にござりまする」

「…………」

理智光院は眼を返し、南の方を見やったが、その眼を返すと頼春を見、

「深い理由のある身の上と察し、あからさまに事情知らせて進ぜる。……大塔宮様におかせられては、逆臣左馬頭直義の家来、渕部義博の毒刃にかかられ、勿体なくも只今ご最期……ここに捧げたはその御首級!」

「…………」

頼春はしかししばらくの間は、そう云われた意味が解らないらしく、少しずつ光を増して来た、暁の色と光との中に、髑髏のような顔を曝し、見えぬ眼を声の方へ向けたままで、じっと沈黙をつづけていた。

「ナ、何?」

とやがて云った。

「大塔宮様ご薨去とな※(疑問符感嘆符、1-8-77) 大塔宮様ご昇天とな※(疑問符感嘆符、1-8-77)」

しかし気味悪くニタリと笑った。

「何を、ばかな、そのようなことが! ……土岐頼春の執念だけでも、宮家ご薨去などあられようや!」

「いいえ……」

と顔の垂れ布をかかげ、宮家の御首級を凝然と、見詰めていた早瀬が嗚咽しながら云った。