Classiques japonais avec furigana
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おれはにじゅうめんそうだ
おれは二十面相だ/妖星人R
江戸川 乱歩
Lisez おれは二十面相だ/妖星人R (おれはにじゅうめんそうだ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 194 415 caractères · 391 écrans
しかし、あのよぼよぼのじいさんに、そんなはやわざができるでしょうか。おばけか、忍法つかいのように、パッときえてしまったとしか、考えられないのでした。
井上君は、つぎつぎと、いがいなことばかりおこるので、あっけにとられて、ボンヤリと、つったっていました。夢に夢みるここちです。
ふと気がつくと、二つのブリキおけがすっかり、からっぽになっていました。あの何百というカニは、どこへいってしまったのでしょう。
井上君は、目をこらして、まえに立っている大きな木のみきをみつめました。木のみきがウネウネと、ゆれていたからです。
コケのはえた、大木のみきが、ヘビの背中のように、うごいているのです。
「あっ、カニだっ。」
それは、何百ぴきというカニが、かさなりあって、木のみきを、のぼっているのでした。それがモゾモゾとうごくたびに、木がゆれるようにみえたのです。
井上君は、ハッとおもいだしました。カニ怪人が銚子の近くの海から、あらわれたときにも、また、古山博士の庭にあらわれたときにも、そのまえぶれのように、たくさんのカニが、はいだしてきたというではありませんか。
すると、いま、この大木のみきを、はいあがっているカニのむれも、やっぱり、おなじまえぶれではないのでしょうか。