Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よつや、あかさか

四谷、赤坂

宮島 資夫

Lisez 四谷、赤坂 (よつや、あかさか) de 宮島 資夫 (みやじますけお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 947 caractères · 18 écrans

Aozora Bunko

横丁ずくし

従って盆と正月に、太宗寺の閻魔様の縁日のあるほかは、新宿は全く用事のない場所であった。

太宗寺の閻魔様は、その体格の偉大な点において、東京でも有名である。盆と正月の十六日には、閻魔堂の格子が開いて、がらんとした暗い堂の正面に、朱顔に金の眼を光らせ、赤い口をかっと開いて、笏を持っていきり立った閻魔大王の姿を、しみ/″\と眺める事が出来るのだ。そのかたわらには、しょうつかの婆が、白髪頭に黒い口で、意地の悪い眼を光らせて片膝を立てている。線香の煙がもう/\とあたりをこめ、威嚇的な鐘の音が、かん、かんと鳴り通した。

『嘘をつくと舌を抜かれる』と聞かされていた、その恐ろしい閻魔の顔が、どういうものか見たくって、私はいつも堂のそとからそうっと覗いた。

太宗寺へ来る新宿の町の両側には、のれんを掛けた、風呂屋のような暗い家が沢山あった。時には赤い裏のきたない布団が、二階の欄干にほしてあった。一緒に行った姉に訊いても、汚い家だといって教えてはくれなかった。

横丁ずくし

殊に年少の私に不思議な感じを与えたのは、それ等の家の中でも土蔵造りになっている二階の壁には、那須の与一が弓を引いているところとか、或いは竹に虎とか、浪に朝日とか、まるで凧の絵みたいな漆喰細工の飾り絵がしてある事だった。