Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Lisez 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) de 正岡 容 (まさおかいるる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 147 226 caractères · 295 écrans

Aozora Bunko

それに限る。

「どうじゃな、得心かな」

冠せるように御隠居が言った。

「へ、承知でございます」

神妙に今松は目でお辞儀をした。

「いや、得心ならば重畳」

満足そうにうなずいて、

「サ、では一杯」

大きな湯呑を差しつけてきた。

脇から桃輔が溢れるほど酌いだ。

またひと息に今松は飲んでしまった。

そうして、返した。

「私も飲むぞ、ソレ、よいか」

咽喉の奥へ流し込むようにあおりつけると、シュッと雫を切るようにした湯呑を、

「もう一杯」

桃輔の前へ出した。

なみなみと酌がせ、また仰向くようにして飲み干してしまった。

さすがに底光りのする目がだらしなくトロンとして、遠火事の夜空を見るように、顔全体が赤々としてきた。

しきりにうるさそうに垂れ下がってくる白髪頭を振り動かしていたが、

「では今日からいてもろうて大事ないか」

少し低い声で桃輔のほうを見た。

「大事ないどころじゃございません。どうぞ……どうぞ」

幾度か桃輔は頭を上げた。

「ウム」

満足そうにうなずいて、

「では見せよう私の余興を」

ヒョロヒョロヒョロと立ち上がり、

「アア、久し振りでよい心持ちになりました。どれ――」