Classiques japonais avec furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lisez 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) de 正岡 容 (まさおかいるる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 147 226 caractères · 295 écrans
縮緬という奴は水にあてて縮んだら、あしたの晩から高座へ出るワケにはいきやせんからなあ」
言うなりかっと舟べりへ、さもきたないものでも見たあとのように唾を吐いた。べっ、べっ。なんべんもなんべんも吐きちらした。そうして、いつまでもやめなかった。
たちまち圓朝はカーッとなった。体中の血潮が、グ、グ、グ、グ、と煮えくり返るような気がされてきて、
「コ、こんな浴衣は二十が三十でも俺んところにはお仕着同様転がってらあ。なあ、なあお絲」
言ったかと思うと、にわかに立ち上がって舟べりへ片足かけ、
エイッ。ひと声、もんどりを切ると、青々とした水中へ、ザブンとその身を躍らせた。
「やッ、身投げだ」
「身投げだ」
口々に数万の見物は驚いたが、やがて、真相が知れ渡ると、
「ちがうちがう、そうじゃねえんだ。落語家の圓朝が、洒落に飛び込んで泳いでるんだ」
「エ、洒落に泳いで。フーム、生白い顔をしてる癖に圓朝て意気な野郎だなあ」
「意気だともよ。圓朝圓朝しっかり泳げ」
われもわれもと花火そこのけで、彼らは圓朝を声援しだした。
「いけねえ、こいつァよけいなことを言って、かえって圓朝に落を取られた」