Classiques japonais avec furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lisez 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) de 正岡 容 (まさおかいるる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 147 226 caractères · 295 écrans
「よし。じゃ、お前んとこの先生の修羅場が巧えかうちの先生の端物が巧えか、二人会てえ奴を願おうじゃねえか」
こう言い出したのは、気短の柳美館の番頭だった。
「いいとも。待ったなしでお願い申さあ。その代わり、負けたらお前さん一升奢るんだぜ」
売られた喧嘩。真々館の番頭も、意気まいて応えた。
「…………」
この舌戦会の報告がもたらされたとき、誰より真っ青になって驚いてしまったのは、当の古今亭今松だった。
冗談じゃねえ。
えれえことになってしまった。
馬鹿でもチョンでも、旅廻りにしろ、相手は本物の講釈師だ。
こっちは高が落語家の駆け出しじゃないか。
関脇小結と幕下の勝負どころか、荒岩と素人の肺病患者が取り組んだよりも、もっと話にならないひでえ勝負だろう。
出ると負けは、今から知れてる。
しょせんが一時の食い継ぎ場所にはちがいないけれど、せっかく、いい巣を見つけたと思ったのも束の間。
この熱海ともおさらばかいヤレヤレ。
こうなると、身びいきをしてくれたここの番頭さんがいっそ怨めしかった。
隣の番頭と張り合ってくれたのはありがたいが、せめて二人会の一件だけはここの旦那に話してみてくれたら、苦労人の旦那様だ。