Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans
あとで分ったのだが、大川で水上署員が目撃したのは女の右腕、木挽町で犬が啣えたのは同じ様な女の左腕であった。
それから少したって、今度は銀座裏のとある横町に、いつとはなく黒山の人だかりが出来ていた。狭い町を通行止めにして、ギッシリ詰った群集が、一様に仰向けになって、ドンヨリと曇った空を見上げていた。
「一体なんですい。飛行機ですかい」
新しく加わった一人が前の男に訊ねている。
「イヤ、そうじゃねえんで。飛行機なんかで、今時こんな人だかりが出来るもんですか。ごらんなさい。ホラ、もっと下だ。あの煙突のてっぺんだ」
云われて見ると、そこには、旭湯と書いた銭湯の煙突が聳えているのだが、なる程、そのてっぺんに、何だか変なものが引っかかっている。
「しばらく見つめていないと分らない。じっと見ててごらんなさい」
白いものが二本、斜に煙突の口から、空に向って突出している、オヤ、変だぞ。あの先で折曲っている恰好は、確かに、確かに、
「ワア、足だ。人間の足だ。しかも裸体の真白な足が二本、……」
その人は思わず大きな声を立てないではいられなかった。
「どうしたんでしょう。まさかああして煙突掃除をしている訳でもありますまい。