Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans

Aozora Bunko

は殺人鬼の白羽の矢であった。世にも恐ろしい死の宣告であった。

彼女の繊細な神経は、恐怖の余り、変調を来たさないではいられなかった。品子はその夜から、えたいの知れぬ悪夢にせめさいなまれた。

見る限り灰色の大空に、何かしら途方もなく巨大な生きものが、朦朧と覆いかぶさって、不気味なスロー・モーションで蠢いていた。

そいつの身体は、大空の果から果まで伸びて、天日を遮りながら、黒雲の如く横わり、八本の曲りくねった巨大な脚が、モゾモゾと蠢きながら、豆粒の様に小さい品子の上に、掴みかかって来るかと思われた。

そいつの胴体は、沢山の関節から出来ていて、その関節の一つ一つが、大戦闘艦程の大きさを持っていた。

海底の生きものの様にボンヤリとしか見えなかったけれど、そいつには、馬鹿馬鹿しく大きな顔があった。顕微鏡で拡大した毒蜘蛛の頭部の様な、醜怪極まりなき顔があった。そして、その頭部から、平家蟹の螯が二本、ニョッキリと、遙かの地平線へ伸びて、呼吸をする様に閉じたり開いたりしていた。

そいつには又、太古の生物恐竜そっくりの、見るも恐ろしい尻尾があって、それがいまわしい黒い虹の様に醜く彎曲し、その先端に、実物を千倍に拡大した程の槍の穂先が、ドキドキと鋭く光って見えた。