Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans
つい先程、その辺を掃除した時には、何もなかったのに、忽然として天から降ってでも来たように、出現した怪物に、小使さんはあっけに取られているのだ。
やがて、二人三人とやって来る早い出勤者や、その辺の地階に住んでいる人達が、怪物を遠巻きにして、円陣を作ってしまった。
いくら騒いでも、怪物が微動さえしないので、人々は段々大胆になって、一歩一歩円陣が狭められて行った。
「ナアンダ、拵えもんですぜ。こいつあ」
威勢のいい若者が、いきなり怪物に近寄って、その頭部をコツコツ叩きながら叫んだ。
「科学博物館の動物標本室にこんなのがあったっけ。あいつを盗み出して捨てて行ったんじゃないか」
誰かが、うまい想像説を持出した。
「ともかく、どっかへかたづけてしまう方がいい。邪魔っけで仕様がない」
事務員の一人が命令するように云うと、二人の小使が、オズオズと巨大な虫のそばへ寄って行ったが、まだ手をつける勇気はなく、足を使って、道路の隅の方へ転がそうとした。
「なんだか、べら棒に重うがすぜ」
ウンと力を入れて、一蹴りすると、今まで俯伏せになっていた怪物が、グニャリと仰向きになって、何とも云えぬいやらしい形の腹部を見せたが、それと同時に、実に驚くべき事が起った。