Classiques japonais avec furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Lisez 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) de 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 113 247 caractères · 229 écrans
(封を切って黙読する。見る見る怒気満面にあらわれる)
牧――どうかしましたか?
芦田――(だまって手紙の中味を渡す)
牧――「本日午後一時半、青木健作邸の園遊会にてお目にかかる」ほほう、文句の下におかめの面が書いてありますね。近頃いたずらもするぶん深刻になりましたね。
芦田――いや、いたずらじゃない。ほんとうにあれが寄越したんだ。わしは彼奴の筆跡はよく知っとる。
牧――まさか、いくら大胆な奴だって、白昼、人のたくさん集まる園遊会などへ、のこのこ出てくるわけにも行きませんよ。
芦田――いや、そうでない。しかも、きっといつものように、あの人の目につくおかめの面をかぶって仕事をやるに相違ない。あいつのやり方は電光石火的だから、かえって人の沢山集まっている方が仕事がやりよいくらいだ。
牧――ではあなたもそちらへお出かけになるんですか?
芦田――無論、こういう図々しい挑戦を受けちゃ、行かないわけにはいかん。
この時扉の外で叩音が聞こえる。そして給仕が名刺をもってはいってくる
給仕――(名刺を芦田に渡しながら)ただいまこの方がご面会です。
芦田――(名刺を見て)通してくれ。