Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lisez 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) de 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 113 247 caractères · 229 écrans

Aozora Bunko

というのはその手紙の上書きが、あの男の自筆であることをたしかめたのです。

芦田――それはまたどうして?

東山――あの男が私のとこへ手紙をよこしたのです。(芦田と牧とは驚きの表情で顔を見合わせる)大胆不敵な挑戦状です。これをご覧なさい。

芦田は手紙を受けとって牧と二人頭を寄せてよむ

芦田――「今朝の新聞は大出来、貴社の推定の通り小生はまだ東京に健在している。本日午後青木邸の園遊会へ出かける予定。このことは芦田探偵にも通知してあるから、よく相談して、小生の正体を観破せられよ。貴紙の発展を祈る」――ふん、やはりおかめの面がついている。きゃつの自筆にちがいない、実はね、東山さん、私のとこへもたった今こんな手紙がついたとこなんですよ。(卓子の上においてあった手紙を同時に渡す)

東山――(手紙を一瞥して)なるほど、であなたはそちらへ行かれるでしょう?

芦田――もちろんゆかないわけにはゆきません。あなたは?

東山――わたしももちろんゆきます。種を探すのは我々のしょうばいですからな。だが、あなたの前でこんなことを言っちゃ何ですが、わたしは、実を言うとあの男の動機は悪めないと思いますよ。