Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふくいんさつじんじけん

復員殺人事件

坂口 安吾

Lisez 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 621 caractères · 195 écrans

Aozora Bunko

「なアに、いつものことですさ。この物の不自由な時に、そうでなくたって、手の指は、そのために使うためにあるものだアね」

その時、横手から、ワッハッハッ、と笑い声をたてたのは、たまたま、居合した久七のオヤジの重吉であった。

「若旦那は、今まで知らなかったかね。オレは朝鮮にいた頃から、もう二十年ちかく、紙でケツをふいたことはなかったね。ここへきて十年にもなるのに、若旦那の眼力が、今ごろ、ようやく見破るとは」

重吉は、よろこんで、ゲタ/\笑った。

公一は物も言わなかった。彼はふりむいて、重吉らの住む部屋へ駈けこみ、そこに居合したモト子をつきとばし、押入をあけると、重吉一家のフトンや品物を手当り次第、窓から外へ投げすてた。

「出て行け! たった、今、出て行け!」

彼は品々を手当り次第投げすてながら、蒼白となって、狂い叫んだ。

発作がおさまって後も、公一の決意は変らなかった。彼はその日の夕食後、父の由之に向って、不潔な重吉一族をこの家から追放することができなければ、自分がこの家を立ち去ることを提言して、ゆずらなかった。

「あれが出て行くと、この大世帯じゃ、すぐにも人手に不自由ですからな。