Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かいていごじょうほう

改訂御定法

山本 周五郎

Lisez 改訂御定法 (かいていごじょうほう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 422 caractères · 58 écrans

Aozora Bunko

「さて」とやがて直衛は盃を置いた、「――裁きをつけるかな」

そして立ちあがった。

客間へゆくと、昏れかかった片明りの中で、矢堂玄蕃がしんと坐っていた。出してある茶にも手は付けないようで、袴の上に両手を置き、折れるほど首をうなだれていた。直衛は折目ただしく坐り、待たせて済まなかった、と云った。矢堂は俯向いたままで、柳田家へのお預けが解けて帰宅したこと、すべては直衛の裁決によるもので、礼の云いようのないことなどを、聞き取りにくいほど低い声で云った。

「あなたの裁きをうかがいながら、私がどのように思ったかは申しますまい」と矢堂は続けた、「ただ、――明寿の刀に一点のくもりもきずもないと云われたとき、自分が裸にされたように感じました、身の皮を剥がれたような気持でした」

直衛はなにも云わず、矢堂のほうに眼も向けなかった。

「いまになってかようなことを申すのは、みれん極まるはなしですが」と矢堂は自分の膝をみつめながら云った、「――これをしおに、侍らしい人間になってみたい、新しくやり直してみたいと思うのですが、御助力が願えるでしょうか」

直衛は暗くなってゆく庭のほうを見たまま、かなり長いあいだ口をつぐんでいた。