Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans

Aozora Bunko

どこか異相にはちがいないが、彼に謁したことのない者がよく、どんな怖ろしいお方かなどというが、そんな近づき難いひとではない。むしろ温容のほうであろう。――ただ見るからに重厚な風をそなえ、眉といい手脚といい、多毛質で不屈な面がまえではあるが、これは山国甲斐の人の共通な特色で、ひとり信玄に著しいわけではない。

「ではお暇を」

「退らせて戴きます」

伽藍のうちから次々に席を立って退出してゆく人々は、階を降りて、もういっぺん廻廊にある彼のすがたへ、挨拶してゆくか、黙礼をして散って行った。

朝からの軍議だった。――軍議といえば、彼は具足を下に着、緋衣をうえに纏って、陣中にあるとおりな装いをしていた。

さすがにきょうの暑さと長座にはややつかれたものとみえ、今しがたそれが終ると、一同から退出の会釈をうけて、すぐ廻廊の外に立ち出ていたのである。

小幡、内藤、山県などの譜代をはじめ、逍遥軒孫六、伊奈四郎勝頼、武田上野介などいう一族にいたるまで、およそきょうの軍議に列した者は、踵をついで帰って行った。――それがみな云い合わせたように、どこか沈重な眉と、決意をもった唇と、倉皇と先をいそぐ足どりをして行った。