Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans

Aozora Bunko

およそ時代のさかいに、過去のもの将来のものと、二つに分け去られる大濤にのって、あぷあぷ溺れてゆくものは、ほとんどが、旧態の威力や、その遺物の未練に、世の推移をケタ違いに見ちがえておる人々です。――その大濤からちょっと上がって、平然と見ていれば分りきっていることでも、将軍職とか、一国とか、小城や小財力など持っていると、それが重荷で、時勢の濤から這いあがってみることもできません。思えば、あわれなもので」

「さしずめ、うごきは、そんな程度かな」

「いや、大変事があります。――申しおくれましたが……」

「なに、大変事が」

「さればです。……これはまだ世間に洩れておりませんが、例の手飼の乱波、渡辺天蔵の早耳ですから、おそらく信をおいてよいかと思いますが」

「何事か……?」

「惜しむべし、甲州の巨星は遂に隕ちたようです」

「……え。信玄がか?」

「この二月、刑部から三州へ攻めに出て、野田城をとりつめておるうち、一夜、鉄砲で撃たれたと聞きました」

「……?」

しばらくは、ひとみを澄ましている信長であった。藤吉郎の唇もとを見つめて。

信玄の死。

もしそれが事実ならば、たちまち天下の象が変る。