Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans

Aozora Bunko

などと親しみぶかく云いかけられたので、彼女は、自分の家も、この君の端につながる一家族であったことに気がついて、すっかり打ち解けた気もちになった。

「めっそうもないおことば、ほかならぬ戦陣の留守、安穏で暮していられるさえ、朝夕もったいないこととぞんじておりますのに、さびしいなどと考えては、罰があたりましょう。ただお母あ様には、はや御老年でございますから」

云いかけると、信長は笑い声にうち消して、

「いやいや、女ごころは女ごころ、包まいでもよい、さびしいのは当りまえじゃ。留守のさびしさを、慥と、噛みしめてこそ、持った良人のよいところも一しお深く分るというもの。誰やらの連歌にも、下の句はわすれたが――

旅に出て妻ありがたし雪の宿

とやらあったぞ。おそらく筑前も待ちわびておろう。それに今浜の城は新しい。戦陣の留守は長く辛かろうが、ふたたび家庭に会えば、また新妻新聟の頃の思いを新たにすることができる。軍人ならでは味わい得ぬよろこびといえような」

「まあ、そのような……」

寧子は、襟もとまで紅くして、両手をつかえていた。そぞろ、十六の年が、想い出されているにちがいない。