Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans
「この野天風呂の味はこたえられん。湯の中から青空を仰ぎ、飛ぶ鳥の腹を見ているのはいいものだ」
入浴ぎらいな者には、何がそんなにいいのか、気が知れなかった。思うに、彼の入浴好きは、お洒落や潔癖からのものではなく、少年の頃、逆境と漂泊の垢にまみれて、ふた月も三月も、湯になど浴みしなかったことはままあったので、その当時の慾望が、やがてあたり前に湯にも入れる身分になってから、いつとなく満された上に「好き」というまでに習慣づけられて来たものではなかろうか。
今朝も起き出ると、もう風呂場だった。
ばしゃばしゃと、鵜が浅瀬で騒いでいるような音がする。好きなかわりに怖ろしく早湯である。
「於福、於福」
湯殿の中で呼びたてていた。
於福とは、例の茶わん屋の落ちぶれで、両三年前、湖畔の造船場で人夫をしていたのを、秀吉に救われて、以来、横山城の庭で、瀬戸物焼きなどしていた男である。
侍の仲間にはいって、茶わんばかり焼いているのも能がなさすぎる。いちど戦場へ出て、拾い首でもして来いと、幾度か秀吉にいわれたが、
――戦争ばかりは。
と、ふるえ上がった。無理にも連れて行くとからかえば泣かんばかり謝るのである。