Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans
「これッ、面を上げんか!」
堀尾茂助も云い、家臣たちが、側から叱咤したが、それでもなお、彼は雑巾のように、べたと、顔を伏せているきりだった。
「つんぼか! 汝は」
蜂須賀又十郎が、遂に癇癪をおこして、襟がみへ手をのばしかけると、藤吉郎は、
「待て。つんぼではない。すこし仔細がある者だ。――手荒にするな」
と、制した。
そして、じっとそそいでいた眼を離すと、歩み寄って、土まみれな男のそばへ片膝を折った。
「於福。……なぜ顔を上げないか。そちは尾張新川の茶わん屋捨次郎の息子、福太郎に相違あるまい」
「……いえ。いえ違います」
男は、胸に顔をうずめたまま、身をそむけて、全身でわなないていた。
「はははは」
藤吉郎は、わざとのように笑って、しかも親しげに、その肩を軽くたたいてやった。
「なぜそのように恐れるのだ。尾張新川は、わしの故郷中村の隣村。それだに懐かしいものを、わけてわしと其方とは、七つ八つの腕白時代からよく遊んだ幼友達ではないか。……こら! おたんこ茄子の於福! あはははは、何を泣くか。その年になっても、未だにそちは泣虫とみえる」
「……め、め、面目次第もございません」