Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 911 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

入口に立ちはだかって、取次げ、取次がぬと、於通と押し問答の最中だった四十がらみの、旅装い物々しげな武者は、微醺をおびて奥から出てきた男を、うさんくさい眼ざしでじっと見、また尼の顔を見、これは怪しからぬといわぬばかりな顔つきを示し、出て行く友松のうしろ姿を、露骨な眼でじろじろ見送った。

その影が、柴垣の外へ消え去るのを待って、彼は、尼のすがたへ辞儀をした。

「お忘れかもしれぬが、羽柴家の臣、武藤清左衛門でござる。また、これにおるは……」

と、うしろに佇む一僧をさして、

「妙心寺の塔頭大心院の御僧、漸蔵主でおざる」

「そうですか。ま、お上がりなさるがよい」

と、尼はさして珍客あつかいもせず、といって、わるびれもせず、奥へ通した。

琴、膳など、まだ片づけるいとまもなく、室の隅に寄せられてある。禅僧の漸蔵主は、あだかも自分の恥辱のごとく、さげすみを面にみなぎらして、つれの者へ、眼でものをいった。

「なに御用ですか」

と、尼はいった。

問われたのを幸いに、武藤清左衛門は、なすべき礼儀を忘れ顔してすぐ答えに移った。

「されば実申すと、この方どもは、木曾川近くの黒田ノ城まで、大事の秘命をうけたまわって、大坂表から下ってまいった。