Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 911 caractères · 353 écrans
こうも、考えられ、同時に、現在の状況は、まったく、千日手の対局になっているので、なんらかの変化を誘う積極的な一手は、どうしても、今や、打たねばならぬときに来ている。
「そうだ、明朝、勝入がこれへ来るのを待つまでもなく、夜のうちに、黄母衣(使者)の者をやっておこう」
秀吉は、むっくり起きて、寝ずの番へ、料紙と硯をもって来い――と、どなった。
小姓たちが、硯箱をさがしている間に、於通は、秀吉のまえに、料紙をそろえて、
「おことわりなく、お硯を拝借しておりました。おゆるし下さいませ」
と、詫びながら、さし置いた。
「そもじも、まだ寝ずにいたか」
「はい」
「何を書いていた?」
「つたない和歌を」
「そもじ、うたを詠むのか」
「ほんの、古今のまね詠みにすぎませんが」
「長陣の間には、折りに、茶の会、歌の会など、やることもあるが、このたびの合戦では、まず、そんな日はありそうもない。そのうちにそっと、わしだけに見せい」
「でも、お目にかけるほどな歌は……」
於通は、はにかみながら、硯の水をあらためて、側で、墨をすっていた。
小姓たちは、片すみへ寄ったまま、余り愉快でない顔つきを揃えていた。