Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 911 caractères · 353 écrans
もう、この場のことは終った」
かれは、さきの分遣隊も収めて、急に退却しだした。
そこへ、長久手の方から、味方の第一、第二隊の使番四、五騎が、一しょになって秀政を探し求めて来た。いうまでもなく、第一隊の池田勝入、第二隊の森武蔵守、ふたりの口上伝令である。
「お引き返し下さい。そして、お味方の先鋒と合体せよとの――仰せです。池田どの御父子のおことばです」
「いやだ。もどらん」
堀秀政は、ニベもなく、断わった。
池田、森の使番は、自分の耳を疑って、
「合戦はこれからですぞ。即刻、御加勢のため、お引っ返しねがいたい」
と、声を大にして、云い直してみた。
すると久太郎秀政も、なお大きな声をして、
「もどらんといったら、もどらんっ。――われらは、秀次様の御先途も見とどけねばならぬ。また、この方の軍兵も、大半は傷つき、この疲れをもって、新手の敵にあたっても、戦の結果はわかりきっておる。堀久太郎は、負けと知れきっている戦をするわけにはゆかん――と、勝入どのへも武蔵守どのへも云ってくれい」
云い払って、そのまま馬を急がせてしまった。
この堀隊は、稲葉附近で、さきに四散した秀次隊の残兵に会い、また秀次その人をも、隊のなかへ拾い取った。