Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lisez 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 541 caractères · 305 écrans
大助は藤尾と共に高島城下で朝を待ち、それからわざとゆっくり道をつづけて塩尻までいった。そして塩尻で三日待ったが秀之進は来ないし、そのうえ「高島城下の付近で讃岐の郷士が幕府の探索を五人斬った」という噂が伝わり、犯人の探索がにわかに厳しくなったので、心を残しながら木曽へ立ってしまったのであった。
「おれもちょっと驚いた」秀之進は苦笑しながら、「滝川ふくしんと寅寿のまわし者が急に『公儀の探索』となったのにはな、おそらくはじめからそういう連絡がついていたのだろう、そうとは知らぬものだから」
「五人みんなやったわけですか」
「……草原に風が渡っていた」秀之進はぽつんと云った、「それだけが眼にのこっている」
「なるほど、そういう表現もあるわけだ」大助はごまかされぬぞという眼つきをした、「正直のところ、すると五人とも始末をつけたんですね」
「なに、みんな一刀ずつさ、一人として片輪になる気遣いのない程度だよ、あれなら新島八十吉ひとりのほうが手耐えがあった」
「かれはどうしました」
「……どうしたかなあ」
ふっと、遠くを見るような眼つきをしたが、それはそのままで話を変え、天竜を下って、わざと東海道を大阪まで出た道次を語った。