Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lisez 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 541 caractères · 305 écrans
「そう……」直二郎は刀をおさめた、なにか云いたいのだが、口をひらけば心にもない言葉がとび出そうでなにも云えなかった、「そう、はなしもあるが、すべて後日のことにしよう、今宵のご助力は恭なかった、ありがとう」
かれは低頭するとすぐ振り向き、おいゆこうと大きく叫んだ。
「なんだ、あれは」
源十郎は去ってゆくかれらを見送りながら、ぺっと唾をとばした。秀之進は源十郎を促してそこを去りながら、
「覚えて置け、あれが水戸っぽうというものだ」
「水戸っぽうというやつは礼儀を知らんのか」
「そうではない、礼儀のかたちが違うんだ、殊にいまの男とおれとは、ひと口に云えない妙ないざこざがある、それで一層あんな態度が出たのだが、あの人たちは水戸でも相当知られた人物なんだ」
「仔細はよくわからないが」源十郎はやはり不満らしくそう云った、「ああいう挨拶にはたびたび会いたくないもんだ、亀阜荘へもよく水戸人が来るけれど、あの国びとには人をみくだす悪い癖がある、おれは……」
云いかけて源十郎がぴたっと足を止めた。向うから走って来る大勢の足音が聞えたから、秀之進はすぐ右手の細い露路口へとび込んだ、目付方の印のある提灯を持って、およそ二十人ばかりの者が栗林荘のほうへ走り去った。