Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lisez 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 541 caractères · 305 écrans
云いかたがあまり無礼だったので、秀之進は思わず向き直った。しかし勿論、怒ったのではない、かれは怒りとか悲哀とかいうたぐいの烈しい感情は知らない性質だった。ただあんまり久木の態度が思いがけなかったので、反射的に向き直ったばかりである。だから向き直るとすぐしずかに低頭した。
「仰しゃるとおりです、拙者の不調法でした、ご勘弁ねがいます」
「そうわかればいい、わかったら坐りたまえ、日本人なら聞きすごしのできぬ問題だ、そして貴公の意見も聞こうではないか」
「しかし実際、さきを急ぐものですから」
「黙れ」久木直二郎は叫んだ、「貴公は日本人だろう、日本人ならいま論じている問題よりも急ぐことがあるか、いったい貴公はなに者なんだ、急ぐ用事というのはなにごとなんだ、それを聞こう」
「…………」
黙って見かえす秀之進の眼を久木は噛みつくようにねめあげた。秀之進は冷やかにその眼を受けとめていたが言葉を交わすだけむだのように思い、しずかに会釈をして砂丘を下りていった。
「……待て」
久木直二郎は大剣をつかんで立った。
二
――待て! という声を背に聞いたが、秀之進はそのまま砂丘をおりていった、「よせ久木」