Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

Lisez 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 541 caractères · 305 écrans

Aozora Bunko

ああそれかと秀之進にははじめて合点がいった。それならかれは承知していたのだ。むろん相手を侮辱するつもりではなかったが、かれにはかれの考え方があったのだ。

「わかりました」秀之進はしずかに云った、「それがあなた方を怒らせたのなら謝罪します、拙者の言葉が足らなかったのです、おゆるし下さい」

「それだけか」久木がどなりつけた、「きさま自分の無礼を咎められて、ただそれだけで済むと思うか」

「ではどうしたら気が済むというんです」

「土下座をしてあやまれ」

「…………」

「そうすれば武士の作法がどんなものか少しはわかるだろう、土下座をしろ」

秀之進はじっと相手の眼をみつめていたが、やがてしずかに一歩さがると、「むしろお相手をしましょう」と云って左手で大剣の鍔元を掴んだ、「だがひとこと云って置く、姓氏を名乗り合うのは作法ではあるが、いつも必ずそうしなければならぬということはない、どうしても姓氏を名乗ることのできぬ場合が、武士にはある、なぜなら、武士は常におのれ独りで生きているのではないから……いざ!」

云い終るのといっしょに、秀之進はつとうしろへひらきながら大剣を抜いた。