Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんせい

新生

島崎 藤村

Lisez 新生 (しんせい) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 334 815 caractères · 663 écrans

Aozora Bunko

岸本が一緒に巴里を引揚げようと約束したのは牧野ばかりでなく、他に二人の同胞の連もあった。その人達はいずれも岸本と同じ旅館に泊っていた。やがて出発の時が来た。岸本は連と一緒に旅の荷物を辻待の自動車に載せ、サン・ラザアルの停車場を指して急いだ。町々は彼の見る車の窓から一目毎に消えて行った。

停車場へは牧野や岸本を見に来てくれる人達も少くはなかった。戦時以来一緒に籠城の思いをしたり、日を定めて骨牌に集ったり、希臘飯を附合ったりした連中は、遠く帰って行く岸本等を見送りに来てくれた。英吉利行の兵卒や旅客なぞの往きかう混雑の中で、岸本はすっかり旅支度の出来た牧野を見た。

「到頭岡君には逢わずじまいに発って行くね」

「岡も何時帰ることやら」

岸本と牧野とは二人でリオンの方に居る岡の噂をした。

「牧野君、まだ僕は迷っていますよ。なるべくは君と一緒に船で帰りたいし、露西亜の方も廻って見たいし――」

「岸本さんはまだそんなことを言ってるんですか」

巴里を発つ間際になるまで思い迷っている岸本の顔を見て、牧野は元気の好い声で笑った。ともかくも岸本は英吉利まで牧野等と同行することにした。