Classiques japonais avec furigana
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うんめい
日本の文学 3 五重塔・運命
幸田 露伴
Lisez 日本の文学 3 五重塔・運命 (うんめい) de 幸田 露伴 (こうだろはん) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 100 648 caractères · 198 écrans
雷が今落ればとて二人が中は引裂れじと契りし者を、よしや子爵の威権烈しく他し聟がね定むるとも、我の命は彼にまかせお辰が命は珠運貰いたれば、何の命何の身体あって侯爵に添うべきや、然も其時、身を我に投懸て、艶やかなる前髪惜気もなく我膝に押付、動気可愛らしく泣き俯しながら、拙き妾めを思い込まれて其程までになさけ厚き仰せ、冥加にあまりてありがたしとも嬉しとも此喜び申すべき詞知らぬ愚の口惜し、忘れもせざる何日ぞやの朝、見所もなき櫛に数々の花彫付て賜わりし折より、柔しき御心ゆかしく思い初、御小刀の跡匂う梅桜、花弁一片も欠せじと大事にして、昼は御恩賜頭に挿しかざせば我為の玉の冠、かりそめの立居にも意を注て落るを厭い、夜は針箱の底深く蔵めて枕近く置ながら幾度か又開て見て漸く睡る事、何の為とは妾も知らず、殊更其日叔父の非道、勿体なき悪口計り、是も妾め故思わぬ不快を耳に入れ玉うと一一胸先に痛く、さし詰る癪押えて御顔打守しに、暢やかなる御気象、咎め立もし玉わざるのみか何の苦もなくさらりと埒あき、重々の御恩荷うて余る甲斐なき身、せめて肩揉め脚擦れとでも僕使玉わばまだしも、却て口きゝ玉うにも物柔かく、御手水の温湯椽側に持て参り、楊枝の房少しむしりて塩一小皿と共に塗盆に載せ出す