Classiques japonais avec furigana
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うんめい
日本の文学 3 五重塔・運命
幸田 露伴
Lisez 日本の文学 3 五重塔・運命 (うんめい) de 幸田 露伴 (こうだろはん) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 100 648 caractères · 198 écrans
下 子は岩蔭に咽ぶ清水よ
あわれ室香はむら雲迷い野分吹く頃、少しの風邪に冒されてより枕あがらず、秋の夜冷に虫の音遠ざかり行くも観念の友となって独り寝覚の床淋しく、自ら露霜のやがて消ぬべきを悟り、お辰素性のあらまし慄う筆のにじむ墨に覚束なく認めて守り袋に父が書き捨の短冊一トひらと共に蔵めやりて、明日をもしれぬ我がなき後頼りなき此子、如何なる境界に落るとも加茂の明神も御憐愍あれ、其人命あらば巡り合せ玉いて、芸子も女なりやさしき心入れ嬉しかりきと、方様の一言を草葉の蔭に聞せ玉えと、遙拝して閉じたる眼をひらけば、燈火僅に蛍の如く、弱き光りの下に何の夢見て居るか罪のなき寝顔、せめてもう十計りも大きゅうして銀杏髷結わしてから死にたしと袖を噛みて忍び泣く時お辰魘われてアッと声立て、母様痛いよ/\坊の父様はまだ帰えらないかえ、源ちゃんが打つから痛いよ、父の無いのは犬の子だってぶつから痛いよ。オヽ道理じゃと抱き寄すれば其儘すや/\と睡るいじらしさ、アヽ死なれぬ身の疾病、是ほどなさけなき者あろうか。
下 子は岩蔭に咽ぶ清水よ
格子戸がら/\とあけて閉る音は静なり。七蔵衣装立派に着飾りて顔付高慢くさく、無沙汰謝るにはあらで誇り気に今の身となりし本末を語り、女房に都見物致させかた/″\御近付に連て参ったと鷹風なる言葉の尾につきて、下ぐる頭