Classiques japonais avec furigana
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うんめい
日本の文学 3 五重塔・運命
幸田 露伴
Lisez 日本の文学 3 五重塔・運命 (うんめい) de 幸田 露伴 (こうだろはん) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 100 648 caractères · 198 écrans
然るに廟諡を得たもうこと無く、正徳、万暦、崇禎の間、事しば/\議せられて、而も遂に行われず、明亡び、清起りて、乾隆元年に至って、はじめて恭憫恵皇帝という諡を得たまえり。其国の徳衰え沢竭きて、内憂外患こも/″\逼り、滅亡に垂とする世には、崩じて諡られざる帝のおわす例もあれど、明の祚は其の後猶二百五十年も続きて、此時太祖の盛徳偉業、炎々の威を揚げ、赫々の光を放ちて、天下万民を悦服せしめしばかりの後なれば、かゝる不祥の事は起るべくもあらぬ時代なり。さるを其の是の如くなるに至りし所以は、天意か人為かはいざ知らず、一波動いて万波動き、不可思議の事の重畳連続して、其の狂濤は四年の間の天地を震撼し、其の余瀾は万里の外の邦国に漸浸するに及べるありしが為ならずばあらず。
建文皇帝諱は允、太祖高皇帝の嫡孫なり。御父懿文太子、太祖に紹ぎたもうべかりしが、不幸にして世を早うしたまいぬ。太祖時に御齢六十五にわたらせ給いければ、流石に淮西の一布衣より起って、腰間の剣、馬上の鞭、四百余州を十五年に斬り靡けて、遂に帝業を成せる大豪傑も、薄暮に燭を失って荒野の旅に疲れたる心地やしけん、堪えかねて泣き萎れたもう。