Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans

Aozora Bunko

ところで、この地鶏は、ぽつんと一羽、淋しそうに群を離れて立っている。おりおり頸をすっと伸ばして周囲を見まわし、それからそろそろと牝鶏の群に近づいて行くのであるが、すぐ老レグホンのために逐われてしまう。逐われる前に、ちょっと頸毛を逆立ててはみる。しかしどうも思い切って戦って見る決心がつかないらしい。

が、そんなことを何度も繰り返しているうちに、地鶏の頸毛の立ち工合が、次第に勢いよくなって来た。次郎はそのたびに息をはずませては、もどかしがった。

彼は、ふと、喜太郎の肉を噛み切った時のことを思い起した。そして、思い切ってやりさえすれば、わけはないのに、と思った。

が、同時に、彼の心には、恭一や俊三と喧嘩をする時のことが浮かんで来て、腹が立った。

「次郎、お前は兄さんに手向かいをする気かい。」

彼は母や祖母にいつもそう言われるので、つい手を引っこめてしまう。では、俊三になら遠慮なくかかっていけるかというと、そうもいかない。

「次郎、そんな小さな弟を相手に何です。負けておやりなさい。」

と来る。どちらにしても次郎には都合がわるい。そして、何よりも次郎の癪に障るのは、彼が叱られて手を引っこめた瞬間に、きまって相手が一つか二つ撲りどくをして引きあげることである。