Classiques japonais avec furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lisez 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 326 caractères · 330 écrans
「呆れた奴だな、瀬戸は」
「君は些っとも気がつかなかったのかい?」
「いや、昨日やって来たんだよ。あれは矢っ張り様子を見に来たのかも知れない」
「昨日何時頃?」
「昼からだ」
「こゝまで来て、僕のところへ寄らないのが変だ。偵察だろう、屹度」
と吉川君は頻りに首を傾げた。
「もう始まっているんだろうって、僕に訊くんだ。それから話している中に、種々と変なことを言うんだ。それだものだから、何うも此奴怪しいと睨んだんだけれど、申込んでいるとは思わなかった」
「何んなことを言ったんだい?」
「探りを入れて頻りに訊くんだ。それだものだから、気のあることが分ったんだ」
とこの辺、安達君は多少取繕って話す必要があった。
「ハッハヽヽ」
「何だい?」
「眉毛に唾をつける」
「何故?」
「君は矢っ張り正直だ。嘘をつく時にはいつも『それだものだから』と前置をつける」
「嘘なんかつくものか? 君とは違う」
「こゝの奥さんに偵察して貰って置いて自分の手柄にしているんだ」
と吉川君は当らずと雖も遠くなかった。
「然う思うなら、然うして置き給え」
「僕さえ気がつかなかったんだもの。僕は瀬戸君丈けは勉強一方の学究だと思っていた」