Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
ズーと裏二階の廊下を見てゆくと、手先の伝吉がはっておいた、例の、目印の札が二ツの部屋にはってある。
そのどっちにも明りの影がさしていないので、釘勘は、しまッた! と早くも手遅れを感づきました。
偶然、ここにお粂と道中師の伊兵衛とが、一ツ宿屋に落ち合っていたため、一方へかかれば一方を逃がすおそれを生じ、あれから、いったん引っ返して、手配のため番屋廻りに時刻を費したのが、今となれば、とんだ両兎を逃がした原因というもの。
「だが、遠くへは行くまい」
と、一つの部屋をあけてみると、衣桁にかけてある女着の丹前、それには、まだほのかにお粂の肌の匂いがある……。
火鉢の残り火を見つめながら、釘勘は、この部屋の空虚に立って、不思議な疑惑にくるまされました。
――病体にしろ相良金吾が、どうして、お粂と共にこう早く姿をかくしたり、あの妖婦の自由になって逃げ廻ったりするのか?
「ウーム、解せない」
吐息の如くつぶやきましたが、今はそんな事を考えている場合でもないので、サッとその部屋を抜けて出ると、何やら足の先にコロコロと転がった物がある。手で探ってみると――冷ややかで、透明で、小さくて、見なれない形をした、紫色の器です。