Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
「不吉な!」
と、叱られて、万太郎もハッと口をつぐみましたが、
「では、急ぎな矢先、これでお別れといたそう」
「貴公は」
「……む、自分は今、根岸の方に」
「兄上の尾州殿のお姿も、ついその辺でお見かけいたしたが」
「や、兄貴が来る? それはいかん」
と、万太郎はすこし狼狽して、
「自分もきょうは急ぎの出先、これで御免を」
「オオ、こちらも火急なところ故、御免!」
「いずれ!」
「いずれ!」
と双方、端的な会話を投げ合って、吉宗が江戸城へ鞭を上げてゆくと、万太郎も、笠を抑えたまま、大名小路の陰へと、逃ぐるがごとく馳けこみました。
石焜炉をハタハタたたく団扇の風に、白い灰が往来なかへ、淡雪のように舞ってゆく。
ぷーんと、木の芽に味噌の焼けるにおい……
ちょうど日ぐれ時、夕飯の潮時。
今、軒行燈に灯がはいッたばかりの「木の芽でんがく」の店にはかなりな客足です。
「ゆるせ」
と、その奥へ通って行ったのは徳川万太郎。
あたりの客の膳を見廻して、
「あのようなものをくれい」
と、小女に注文する。
田楽屋へはいッて、あのようなものという注文は、かなり下世話に通じているようでも、やはり大身の若殿らしい。