Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

武蔵野のあちこちに出没して、行来の旅人をおびやかす通り魔というのが、そもそも彼には腑に落ちない。

この鍛冶小屋に泊って仮面を盗み去った怪しげな女と、その通り魔と、何か一筋の糸につながるように思われて、

「ことによると、その通り魔というのがその女ではないか?」

暫くムズムズとしているうちに、洞白の仮面を取り返さねばならぬと思う一心と、その怪異な風説の正体をつかもうとする猟奇心が時刻を忘れて、

「そうだ!」

と、思わず彼をしてガバと刎ね起きさせました。

しかし、今夜はいたく疲れています。

終日道を迷い歩いた足のくたびれや何かを顧みると、さすがの彼もまた少し二の足をふむ。

そして、思い直したらしく、

「この間からの風説といえば、何もにわかに、今夜と限ッたことはあるまい」

と、ふたたび枕を引き寄せましたが、今度こそ雑念を払って寝入ろうとするものの如く、夜具を被ろうとした身をのばして、ふッと、行燈の灯を吹ッ消しました。

すると、ちょうど手をついた床の辺りから、何か目に痛いような光がサッと瞳の中へ飛び込んで来たので、

「あっ」

と立ち上がッた途端に、どうでしょう、まぎれもない大刀の鋩子です。