Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
「二手になれ」
こういったのは雲霧の仁三で、
「おれが合図をするまで消えていろ。いいか、なるべく近づいて息を殺しているんだ」
合点という風に、六人の黒衣が道の両側に分れたかと思うと、まだ短い青すすきの中を、這うようにして少しずつ近寄って行く。
茫漠とした野と空をながめて、次郎と万太郎がしばらく黙し合っているところへ、忽然と、背丈の小づくりな一人の男が、風に吹き送られて来たように、目の前に立って小腰をかがめて、
「ちょッとお伺い申しますが」
と、笠を取って申しますことには、
「――もしや貴方様は、尾州家の若殿万太郎様ではございませんか」
と、いんぎんな言葉ではありますが、その鋭い眼ざしに驚いて、次郎は少し野槍の手を動かしかける。
見知らぬ町人、不審と感じながら万太郎は、ふと、ゆうべの白刃を思いうかべて、
「そちは、たれか!」
と、油断のない気構え。
男はさらに悪びれないで、
「へい、手前は日本左衛門の手下、雲霧の仁三でございます」
「なにッ?」
立とうとするのを、笠で制して、
「ま、お待ち下さいまし。万太郎様、もう駄目でございます」
「だまれ、何が駄目?」
「お命をもらいにまいりました。