Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
「ハハア、娘さん、様子を見るにおめえは、ただの町人の御息女じゃありませんね。道理で、女ながらも胆ッ玉のすわっているはずだ。――が、それにしても、この真夜半の小仏を、何処へゆくつもりか知らねえが、女一人で越えるなんて、無茶にも程があろうじゃねえか」
と、甲の狼が申しますと、乙の獣が、
「それにゃあまた、やむにやまれない、深い事情があるんだろうさ。どうせおめえ、ただの身の上でねえ事は分っていら」
「なるほど、さもなければ、こんな峠を、若い女が夜歩きする訳もねえはずだな」
「エエおい。可哀そうじゃねえか、この先、何処へ行くのか知らねえが、事情を聞いておれ達が、この娘の相談に乗ってやろうじゃねえか」
「そうだとも、こんな姿をして、五街道のうちで一番物騒だというこの甲州路を歩いてみや、蠅だの、蛭だのッて、ろくなものは付きやしねえ。……もしお嬢さん、悪いことはいわないから、この下の沢までおいでなさい、そこまで行くと、こちとらの中継ぎ小屋があるから、そこで今夜は足を休めて、ゆっくりと先の相談をして上げよう。エエ、何とかいいねえな、何とか……」
と、丙の男がそろそろとお蝶の体へ近寄って、膝の上の白い手へ触りましたが、彼女の手は、茨の如く棘を立って男のそれを振り退けます。