Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

Lisez 浅草風土記 (あさくさふどき) de 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 294 caractères · 318 écrans

Aozora Bunko

三

に書いた。

明治四十五年の一月というと、わたしのまだ慶應義塾にいた時分。――「朝顔」という小説を、その半年前に、はじめて世の中へ出したあと、一つ二つの小説と戯曲を同じく「三田文学」と「スバル」に書いた――とはいわない、書かせてもらった時分で、在りようは、この文章、そのころの作家のだれでもが試みた「幼き日」の回想の人真似をしたと云えば足りる。

三

が、「幼き日」の回想といっても、これによって、わたしは、ありがたちの、正直な、おもいでの物語を書こうとはしなかった。――むしろ、生れた土地を語るための、それに都合のいい空想をいろいろ組合せたといったほうがいい。――いまにしてその十一年まえの心もちに溯ることは出来ないが、おそらくは、この、二倍、三倍ぐらいの長さのものを、わたしは、「浅草田原町」という名目の下に書きつごうとしたに違いない。――同時に、わたしの疎懶が、そのわたしの意図を裏切ったのに違いない。

ありがたちの、正直な、おもいでの物語でないしるしには、この文章、わたしというものがはっきり出ていない。わたしというものを、あたまで、よそにしている。――いうならば、これを読んでも、肝心の、わたしというものが田原町のどこに住んでいたのかさえ分らない。