Classiques japonais avec furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lisez 浅草風土記 (あさくさふどき) de 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 294 caractères · 318 écrans
三
……吉田さんといううちは、浅倉屋の親類だということだったが、そういえば、浅倉屋もまた吉田。……浅倉屋こと吉田久兵衛さんだった……
三
抄出したこの部分だけをみた分には、しかし、「雷門以北」というもの、一人追懐したり、詠歎したりする文字を、いたずらにつらねたものとしか思えないかも知れない。が、性根は決してそうでなく、昭和二年の七月に於ける浅草広小路、及び、その附近の町々の在り方について……果して、そのとき、どんな相を示していたか、どんな光景をそなえていたか?……ということは、同時に、年月が、どんな変化をその町々のうえに与えたか、ぼくは、あくまで詳細にこれを報告しようとしたのである。
すなわち、ぼくは、それを書きだすにあたって、まず、つぎのような記述をした。
“田原町、北田原町、東仲町、北東仲町、馬道一丁目。――両側のその、水々しい、それぞれの店舗のまえに植わった柳は、銀杏の若木に変った。人道と車道境界の細い溝は埋められた。(秋になると、その溝に、黄ばんだ柳の葉のわびしく散りしいたものである)どこをみても、もう、紺の香の褪めた暖簾のかげはささない。書林浅倉屋の窓の下に大きな釜の天水桶もなくなれば、鼈甲小間物店松屋の軒さきの、櫛の画を描いた箱看板の目じるしもなくなった。