Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lisez 浅草風土記 (あさくさふどき) de 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 294 caractères · 318 écrans
五
夕食の支度の出来るのが待ち切れないほど腹が空いたのである。――立ちどころに、わたしは、ふくろをからにした。
その晩、みぞれは雪にかわって、戸外にしずかな音を立てた。わたしはその雪の音をやさしく聞きながら、桜井鴎村の『漂流少年』をよみふけった。
記憶という奴は不思議である。いまでもわたしは切山椒をみると、そのときのことをおもい出す。――山谷の狭い通りをおもい出し、ふって来たみぞれをおもい出し、『漂流少年』をおもい出す。――が、いまにして思えば、それもまたすべて夢である。――しずかにやさしくさしぐまれる夢である……
五
吉野橋をわたって、わたしはそのまま右へ切れた。すなわち、さばさばと空地になった「道哲」のあとを横にみて、そのまま土手……といっても今はもう決して土手じゃァない、区画整理後、そういわれるだけの特別の高さをその道は失った。両側の町々と同じ低さに平均された。つまりは、三の輪へ続く一筋の平坦な広い往来になったのである。が「先刻よりずっと濃くなった月の影を仰ぎつつ、土手のほうへわたしはあるいた」と「吉原附近」の最後にもわたしは書いた。便宜のためしばらくわたしはそういいつづけるであろう。